基本的なVPNの仕組みから、VPNを使うべき理由、そしておすすめするVPNを紹介していきます。はじめて海外のVPNの利用を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
VPNってなに?VPNの基本について
VPNとは、ネット上に仮想の専用回線を設置し、安全に通信できるようにした仮想のプライベートネットワークの事です。
難しく聞こえてしまいますが、VPNを設定して利用することは誰でも簡単に出来るので安心してください。
VPNを利用すべき理由
たとえば街中のカフェなどにあるフリーWi-Fiを安全に利用するには、VPNがとても効果的です。フリーWi-Fiは至る所にあり通信量の節約などに便利ですが、使い方を間違えると個人情報が漏洩する恐れがあります。
フリーWi-Fiの通信の中には暗号化されていないものがあり、データを盗聴、改ざんされたりする可能性があります。
またVPNを利用する事によってIPアドレスを自由に変更して、海外のNetflixなどのサービスにアクセスしたり、自分の匿名性を高めてくれる効果が期待できます。
VPNのプロトコルの種類
VPNにはVPNプロトコルというものがあります。プロトコルとは簡単に言うとVPNサーバーと通信を行うための手順、決まり事です。
現在、一般的に利用されているVPNのプロトコルは以下の5種類あります。
- OpenVPN
- IKEv2
- L2TP
- SSTP
- PPTP
プロトコルによってメリットとデメリットがあり、セキュリティ面からは利用すべきでないプロトコルがあります。
この中でもPPTPは古いプロトコルで広く普及していますが、セキュリティ面では大きな欠陥があります。PPTPを開発したマイクロソフトも現在PPTPの利用は推奨していません。
このようにプロトコルによってセキュリティの強度は大きく変わってきます。
利用すべきプロトコルは?
結論からですが、セキュリティ面から見てOpenVPNを利用すべきです。OpenVPNはオープンソースであり、暗号の強度、通信速度に優れています。暗号化の強度も最高レベルのAES-256bitの利用が可能で総合的に最も優れています。
またOpenVPNはUDP、TCPのポートを柔軟に変更することが出来ることも大きなメリットです。利用するポートを変更することによって厳しい検閲がある国、中国なども検閲を回避することが出来ます。HTTPSで利用されているポート443を利用すれば、HTTPS通信に見せかけてVPNの利用を一定程度隠すことができます。
特別な理由がない限りはOpenVPNの利用をおすすめします。
なぜ有料のVPNを使うべきなのか
VPNの中には、無料で使えるものがあります。App StoreやGoogle Playストア、Chrome、Firefoxの拡張機能にも無料で利用できるVPNは存在します。しかしこれらの多くは利用者の個人情報を収集し、情報を売却することによってサービスを運営している所もあります。
無料のVPNとして有名だったあるVPNは、プライバシーポリシーに違反して通信ログを記録、トラフィックを追跡して、顧客データを広告主に販売していたとして非難されたニュースがありました。
また無料のVPNの中には、暗号化さえされていないものや脆弱性のある古いプロトコルが使われている場合もあり避けたいところです。
VPNのサービスを運営するには、サーバーの費用、セキュリティの更新費用が継続的に必要です。無料でサービスを提供している所はそれなりの理由があります。
無料のVPNはプライバシーポリシーを見ると多くの場合、通信ログを保存しています。有料のVPNには通信ログを保存しない、ノーログポリシーのサービスもありプライバシーの面でも有料のVPNを利用すべきです。
VPNの使いやすさ
利便性の面でも、無料のVPNと有料もサービスでは大きな違いがあり、VPNを利用した際の通信速度は大きな違いがあります。せっかくVPNを利用しても通信速度が使い物にならなければ意味がないので、快適な利用を考えた場合も有料のVPNが優れています。
無料のVPNには通信量制限や速度制限があり、通信量が多いサービスを利用するときは不便です。有料のVPNの多くは制限がない点も優れている所です。
VPNプロトコルに関してもほとんどのサービスがOpenVPNに対応していて、UDPとTCPの変更、通信ポートの変更も簡単に行うこともできます。
有料のVPNにある便利なところ
有料のVPNにはセキュリティを高めてくれる便利な機能があります。これらはVPNを利用するときに見逃しがちなセキュリティの穴を簡単に埋めてくれます。
代表的なものにキルスイッチやIPv6のリーク対策、DNSリーク対策、WebRTCのIP漏れ対策などがあります。キルスイッチとは、突然VPNが切れてしまった場合に強制的に通信を切断して、接続先に自分のIPアドレスが漏れるのを防いでくれる機能です。
利用できるサーバーが多いのも便利な点で、世界中のサーバーを無制限に自由に利用できます。無料のVPNは日本のサーバーを設置している所は少ないですが、有料のVPNは日本のサーバーが利用できるところが多くあります。
一部のVPNのサーバー情報とサービスの本拠地をまとめてみました。
NordVPN | ExpressVPN | CyberGhost | VyprVPN | セカイVPN | |
サーバーの数 | 5,400以上 | 3,000以上 | 6,400以上 | 700以上 | 18 |
同時に接続できる台数 | 6台 | 5台 | 7台 | 5台 | 3台 |
日本のサーバー | あり | あり | あり | あり | あり |
設置されている国の数 | 59か国 | 94か国 | 89か国 | 65か国 | 5か国 |
本拠地 | パナマ | イギリス領 バージン諸島 | ルーマニア | スイス | 日本 |
また有料のVPNのほとんどは、多くのOSで簡単に利用できる独自のアプリ、ソフトが用意されています。Windows、Mac、iPhone、アンドロイド、Linuxをサポートしているところがほとんどです。
サポート体制もしっかりしていて、オンラインや電話による技術的なサポートも受けることができます。おすすめするVPNは海外のサービスですが、中には日本語によるサポートに対応している所もあるので安心できます。
VPNの選び方
VPNのサービスは国内、海外に多く存在します。サービスによってもちろんメリット、デメリットがありますが、有料のVPNを利用する際にチェックしておきたい点を紹介します。
VPNの契約では、人それぞれ求める要求が違うので、ご自身にあったサービスを利用する事をおすすめします。
海外のVPNをおすすめする理由
国内のVPNサービスではセカイVPNが有名です。日本の会社のVPNサービスなので、日本語によるサポートが受けられるのは便利な点です。中国から日本へのアクセスも可能で、中国からネットを利用したい場合は手軽な選択肢となっています。
セカイVPNの価格は月額1,100円となっており、平均的な海外のVPNサービスよりは割高です。海外のVPNで人気のあるNordVPNは、1年契約だと月額6.99ドル、3年契約だと月額3.49ドルです。長期利用を考えている方は海外のVPNの方が、かなり安い傾向にあると言えます。
また国内のVPNは、接続できる国のサーバーが非常に少なく、自由度が低い所が気になります。NordVPNだと、60近くの国に約5,000個のサーバーがあるので、利用者が集中して通信速度が遅くなる事も回避出来ます。
そして、国内のVPNは通信ログを記録し保管しています。利用者のIPアドレス、VPNを使ったサイトへのアクセス履歴は全て一定期間保管されます。システムの保全や悪意のある利用者へ対処のためには必要ですが、個人的な情報を保管されるのは抵抗がある方もいると思います。
海外のVPNの中には通信ログを一切保持しない、いわゆるノーログポリシーをプライバシーポリシーに定めているサービスがあります。システムの保全のための最小限のログのみ保管し、利用者のプライバシーの保護に徹しています。
以上をまとめると、VPNの値段、設置サーバー数、通信速度、プライバシーの保護の点から海外のVPNをおすすめしています。
VPNの価格は?
海外のVPNにはユーザーのプライバシーを守るために、日本のサービスには無い面白い特徴を持ったプロバイダーもあったりします。
その中でもVPNごとに売りにしているものが違い価格だけではどこを選べばいいのかは利用する方の要求によって変わってくると思います。
しかし価格もVPN選びでは重要なポイントなので、人気のあるVPNの価格を一部紹介いたします。以下のようにほとんどのVPNは、1か月の契約だとかなり割高になる価格設定です。年単位の契約だとクーポンなどの割引があったりするので年単位の購入をおすすめします。
NordVPN | ExpressVPN | CyberGhost | VyprVPN | セカイVPN | |
1か月プラン | 11.95$ | 12.95$ | 10.99$ | 12.95$ | 1,100円(税込) |
6か月 | – | 9.99$/月 | – | – | – |
1年 | 6.99$/月 | 8.32$/月 | 4.49$/月 | 3.75$/月 | – |
2年 | 4.99$/月 | – | 3.79$/月 | 2.5$/月 | – |
3年 | 3.49$/月 | – | – | – | – |
VPNのサーバー数
VPNを選ぶときは設置されているサーバー数も重要です。サーバーの数は通信速度にも大きく関わるので、契約するときはサーバー数をチェックしましょう。サーバー数が豊富だと、利用者が集中したサーバーを避けて快適に利用することが出来るからです。
また自分が利用したい国のサーバーがあるかも確認しましょう。日本のサーバーは全体的に少ない傾向にあるので、海外から日本のサービスを利用したい方は日本のサーバー数もチェックして下さい。
利用できる支払方法
支払い方法は海外のサービスにもかかわらず、日本人でも簡単に支払うことができます。海外のVPNは多くの決済方法が用意されており、自分にあった方法を選ぶことが出来ます。
一例ですが以下の支払い方法が用意されているVPNがほとんどです。
- クレジットカード (一部ではVプリカも利用可能)
- PayPal
- ビットコイン、イーサリアムなどの仮想通貨
VPNについてのまとめ
いかがでしたでしょうか。VPNは簡単に自分のプライバシーとセキュリティを守ってくれるとても有効な手段です。特に海外のVPNは値段も安く、通信速度、サーバー数、セキュリティも非常に優秀です。
フリーWi-Fiを安全に使いたい方、普段のプライバシーが気になる方はぜひVPNを使ってみましょう。VPNの利用は難しくなく、誰でも簡単に利用できるので気軽に試してみてください。